魔法がとけるまで
バッチリと目が合った。


「ひぃぃぃぃ~っ!!」



私は、この世のものとは思えない奇声をあげ、毛布から飛び出した。



座間さんの目が、開いている…眠っていると思っていたのに…。



「こ、こ、こーひぃーーいれてきます…」



「祥子さん」



呼び止められて、背筋が凍りついた。



「はい………」



返事をして、ゆっくりと振り向く。座間さんが、私の視線を捉えた。



「もう一度、言って?」


ブンブンブン…首を横に振った。顔が火照って、耳まで熱くなる。



そんな私を見て、座間さんは、優しく微笑んだ。


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