魔法がとけるまで
私がデスクに戻るのと入れ替わるようにして、川崎さんが席を外した。



受付に会社の判子を置き忘れてきたことに気付いた私は、またすぐに受付に戻った。



判子、判子…あった。



「竜二くんっ!」



えっ!?川崎さんの声?
竜二くん…って…?



ドキドキしながら、そっと声のする廊下の様子を伺った。



「…なっ………!」



私は、声をあげそうになり、思わず口を塞いだ。


川崎さんが…座間さんと抱き合っている…というよりは、川崎さんが抱きついている…と言ったほうが正しい…か?



どちらにしても、2人は男女の関係が…あるのかも?



「エビショウ、綾瀬くんから電話!」



その声にハッとする。
…今のは、見なかったことにしよう…。私は頷くと、デスクに戻った。


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