魔法がとけるまで
顔見知りの常連さんやマスターと話しをしているうちに、心がほんわかと温かくなった。



夕方近くまで長居をしてマンションに戻ってくると、綾瀬さんの姿があった。



「遅い」



「えっ!?ごめんなさい」


来るなら、スマホに連絡してくれたらいいのに…そう思いながら謝った。


「どこ行ってたん?」



「猫カフェに…」



「猫飼ってなかったっけ?浮気か?」



「突然、いなくなって」


そこまで言うと、胸に寂しさがじんわりと広がって…涙が出た…。



「泣くなよ…」



「だって…」



「ホレ、土産。これ食って元気だせ」



今日は、得意先とゴルフだと言っていた綾瀬さん。わざわざお菓子を買ってきてくれたようだ。



「良かったら…どうぞ」


私は、オートロックを開けて、綾瀬さんを招き入れた。



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