魔法がとけるまで
「ショコラ…良かった」


嬉しくて、涙の笑顔を見せる私を、座間さんは、穏やかな表情で眺めていた。



「ショコラ、一晩だけ…オレのヒモやったんですよ」



ニヤリと笑う座間さん。やっぱり、魔法はとけていなかったようだ。



「あの夜のこと…」



「覚えていますよ」



はぁ…。私は、ため息をついて、苦笑いをした。


「すみません…。ヒモなんて言って…」



「なんでヒモなんか言うたんですか?」



「話すと長くなりますので…お時間あるようでしたら、どうぞ」



もうここまでバレてたら本当のことを言おう…。腹をくくった私は、部屋に座間さんを招き入れた。



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