魔法がとけるまで
「祥子さん」



呼びかけられ、顔をあげると、座間さんが真顔で私を見つめた。



「あの夜…寝ているオレになんて言ったか…もう一度、聞かせて下さい」


「えっ!?」



座間さんのその目は、とてもとても綺麗で…その目に吸いこまれそうになる…。



もう嘘は、つきたくない。あの夜、伝えた言葉をもう一度、伝えたい。



すぅ~と、大きく息を吸いこむ。



「座間さんが…」



< 79 / 80 >

この作品をシェア

pagetop