魔法がとけるまで
金曜日の夜、時計が定時を過ぎると、ソワソワする。



「エビショウさん、先に帰ってもらっていいですよ~」



川崎さんがパソコンとにらめっこしながら、そう言った。



「でも…」



「そのかわり、今度、綾瀬さんとの飲み会、セッティングして下さい」



「えっ!?」



「エビショウさん、同期でしょ!?綾瀬さん、オレ様っぽいところがカッコいいですよね~」



「わかった…。ほな、お先です…お疲れ様…」



このロールキャベツが!そう思いながら、デスクを離れた。



金曜日の夜、仕事を終えると彼がやってくる。



その前に、晩ご飯作っておかんと…ね。



ミャーミャーミャー



ショコラも待ち遠しいのか、玄関に向かって鳴いている。そんなショコラを抱きかかえて呟く。



「竜二さん、早く来ないかなぁ…」



(おしまい)



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