ツンデレくんを呼んでみた。
「えーとさ、聞くけど、なんでそんなにあたしが好きなの? あたしより可愛い女の子なんて他にゴロゴロいるじゃん」


とりあえず話の論点をずらしてみた。


「なんでって……そりゃ、好きになっちゃったからですよ。好きになったから好きなんです。仮に飯田さんに彼氏がいるとして、その彼氏を好きになった理由ははっきりありますか?」

「…………ない」

「でしょう!」


何、自分いいこと言った! みたいな自信満々な顔でのたまってるんですか。何が「でしょう!」だよ。


こちとら半年以上前から自覚してんだよ、そんなこと。


ていうか、君、「仮に」とか言ったけど、あたしにはがちでいるんだよ。何自分の都合のいいように解釈してんだよ。それじゃ、あたしが勝手に彼氏と思い込んでるみたいじゃないか。


変態なのは自覚しているけど、あたしはそこまでイタい人間ではない。


「でも、やっぱり山崎と付き合うのはちょっと」

「俺は! 飯田さんが好きなんです!」


ああ、だめだ。これでも話が全く通じていない。


< 24 / 104 >

この作品をシェア

pagetop