ツンデレくんを呼んでみた。
なぜ手を繋ぐのに半年かかったかというと、あたしが恥ずかしくて、手を繋ぐ行為までなかなか踏み出せなかったからだった。


三ヶ月を過ぎた頃まではよかった。手を繋がなくても全然気にならなかった。


しかし、付き合って半年を目前にして気づいた。あたし達、もしかしてこれまで手繋いでなくない?


そう考えた時、触れたいと思った。中出の手を握りたいと思ってしまった。


そこからあたしの壮絶なる苦労が始まった。二人で外を歩いたり家にいるときに中出の手を見つめる。穴が開くくらい凝視する。それから手を伸ばしてそれに触れようとする。でも触れない。


手に触れる寸前で伸ばした手をひっこめるということが一ヶ月ほど続いた。キスもしてハグもして、なぜ手を繋げないのかと全国から突っ込みが来そうだけど、妙に気恥ずかしかったのだ。


中出はそういうカップルらしいことをすることはあまり気にならないらしい。見ていればわかる。好きだからとりあえず一緒にいる。キスやハグはそのうちの付録みたいなもの。そういう考えらしいから、中出からしてくれるなんて期待は最初からしていない。


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