ツンデレくんを呼んでみた。
中出に背を向けてぐすぐす泣いた。


中出を好きにならなければこんな罪悪感など抱えなかっただろうか。


中出を好きにならなければよかったのだろうか。


中出に対する罪悪感と自分に対する嫌悪感に涙が止まらなかった。


嗚咽を堪えてようやく収まった頃、あたしは鼻をすすりながらベッドから出た。ティッシュを取って鼻をかむ。


涙はその間も頬を流れ続けていた。


ごしごしと服の袖で涙を拭っても、涙は滲んでやがて頬を滑る。


困ったもんだ。


明日、目腫れるかな。


それでもいいやと思った。どうせ明日は何も予定はない。中出もあたしが起きる前に帰るだろうから見られる心配はない(はず)。


目と鼻を服の袖でごしごしとこすって、中出に見られないようにしなければと思った。


中出に泣き顔は見られたくない。ばかにされるか笑われるかのどちらかに決まっている。


息を整えて、布団に潜る。中出が寝ているから布団の中は温かかった。


ばかだな、あたし。こうやって一緒に寝られるだけで幸せなのに、どうしてもっとと欲しがってしまうのだろう。


こうやって中出の傍にいられるだけでいいのに。


不意に腕を掴まれた。布団の中に引きずり込まれる。


「わっ」


中出があたしの腕を掴んでいた。


見ると、中出があたしを睨んでいた。


うわあ、だいぶご立腹ですね。


「ご、めん。起こしちゃった?」

「起きてたし」

「へ?」


起きてた?


てことは、わざと返事しなかったの?


あたしが泣いてたのも気付かれてた?


「なんで怒ってんの……」

「なんで付き合ってんだって言ったな」

「…………」


ああ、聞かれてた。


妙な絶望感に苛まれる。


でも、中出が怒っている理由がわからない。


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