ツンデレくんを呼んでみた。
「…………あたしに興味ないんじゃないの?」

「んなこと言ったことねえだろ」

「だって、全然手出してこないし……キスだっていつもあたしからだし」

「それは奈子の手が早いだけやろ。嫌だったら突っぱねてる」

「…………あたしのこと、軽い女だって思ってるでしょ」

「思ってねえ。むしろガード固いやろ。記憶飛ぶほど酔ったんなら最後までやっても不思議やないし。俺には無防備で煽ってくるくせに」

「むっ……」


無防備って。


あたしのことをそんなふうに思っていたのか。


ばかにしているんだか褒めているんだかさっぱりわからない。


再び唇が重なる。中出がゆっくり確かめるように触れてくる。


中出の指が首元から服の中に入ってくる。鎖骨を撫でて、下に下がっていく寸前であたしはその手を掴んだ。


「ほら、やっぱガード固い」


中出がおかしそうにくつくつと笑った。


「何してんのっ……」

「わかってる。これ以上はしない」

「ていうか、なんでこんなこと……」

「これでも今まで我慢してたんや。てか、手痛いから離せ」

「質問の答えになってません」

「うっせえ。ばか力が」


中出の指があたしの手から逃れてするするとあたしの指と絡んだ。


再び唇が重なる。


求め合って何度も何度も触れる。


中出があたしの熱い吐息を奪ってしまいそうだ。


中出もこんな風に求めるんだと初めて知った。


翻弄するように唇に触れて、吸って、噛み付く。


じわじわと中出の体温に侵されていくように、体の自由が奪われていく。


これは夢なのだろうか。


だって、中出がこんなに強引で優しいなんて、ありえない。


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