ツンデレくんを呼んでみた。
「あたし、寝言言ってた?」

「寝言というか、喘いでた」

「…………二度も言わないでもらえます?」


中出に言われると妙に恥ずかしい。


「やった夢でも見たんけ?」

「えーと…………まあ、うん……」

「夢でもするとか、男じゃあるまいし」

「さすがのあたしもびびったよ」


あたしは再び寝転んで盛大なため息をついた。体の疼きはもう収まっていた。


夢での相手が中出でよかったと心底安心した。


これが山崎だったらまた中出に負い目を感じるとこだった。


目をつぶるとまた眠れそうだ。


「溜まってんのかなあ」

「誘ってもしねえぞ」

「誘ってないよ。独り言」


恐怖心はいまだ完全には拭い切れていないけど、それでも夜に中出が傍にいてくれることはありがたかった。


そういえば、中出としたあのキスは、あの出来事と同じ日にやったのだと今更自覚した。


「中出だった」

「は?」

「顔は見えなかったけど、夢で中出としてた」

「うわあ、すっげえ嫌や」


中出があからさまに顔をしかめたから、あたしはじろりと中出を下から睨みつけた。


「あたしだって不本意だし。ていうか、寝ないの?」

「それ聞いたら、寝たくなくなったわ」

「何それ」


あたしは起き上がって中出の肩を掴んだ。


「……何」


中出がこちらを向いた瞬間に、あたしはその唇を奪った。


ゆっくり唇を離して、喉仏があるあたりに吸い付いた。


「…………っ」


突然のことに中出が戸惑っていることがわかる。


あたしは喉仏に歯を立てた。


ごくり、と喉が鳴った。


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