ツンデレくんを呼んでみた。
中出が中身を飲み干した缶の口をつけたところに触ってみたいと思ったけど、さすがにやめておいた。


こんなことを考える時点であたしは相当な変態だし、行動に移して中出に見られたら別れ話を切り出されるかもしれない。


台所で缶を濯いで、部屋に戻って床に横になったら眠くなってきた。


酒のせいだろうか。


意識が飛ぶ寸前のところを行ったり来たりしながら、遠くからのシャワーの音を聞いていた。


頭からシャワーをかぶる中出を想像したらなぜか笑いが止まらなくなった。


しばらくしてシャワーの音が止まって、中出が短い髪をタオルで拭きながら戻ってきた。


「風邪引く」

「起こしてー」

「あほか」


甘えたいあたしを尻目に、中出はドライヤーを手にして乾かし始めた。


いつもの中出だ。


ゆっくり体を起こしてぼーっと中出の横顔を眺めた。


その顔色はさっきと一切変わっていない。


中出みたいな、いくら飲んでも潰れない人こそあんなチューハイはジュースだと豪語するのだろう。


羨ましい限りだ。


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