ツンデレくんを呼んでみた。
あたしがすごすごとベッドに潜ると、中出も一緒に入ってきた。


「……おやすみ」

「ん」


あたしは中出に背を向けて横になった。


普段は考えるだけで行動に移さないはずだった。


やっぱり酔っているのかもしれない。


そして、いつもと違う中出の姿を思い出した。


あたしに押し倒されてわずかに戸惑いを滲ませる中出が愛しいと思った。


やっぱりあのまましてしまえばよかった。惜しいことをした。


中出にはまた変態と罵られるのだろう。


仕方ないじゃんか。それだけ中出が好きなのだ。不安になっても中出が好きで、いつもと違う側面を見せる中出も好きなのだ。


ごろりと寝転がって中出と向き合った。中出は目を閉じていた。


あたしは中出にくっついてスウェットの裾を掴んだ。抱き着いたら怒られたけど、くっつくくらいならいいだろう。


中出の匂いがする。


幸せだなあ、なんて思いながら目を閉じたら、不意に腰に違和感を感じた。


< 95 / 104 >

この作品をシェア

pagetop