ツンデレくんを呼んでみた。
中出のキスはいつも緊張する。


あたしの緊張が中出に伝わりそうで、中出の熱があたしの中に入ってきそうで、余計に緊張して、いつもされるがまま。


そのまま意識がぼんやりとしてきて、いつのまにか服の中に手が入ってきて、何も付けていない胸に触れる。


「んっ……」


露になったあたしの体を指でなぞって、唇を落として、舌で舐める。


キスをされるたびにその部分が火照って、いつかそのまま熱が冷めなければいいのに。


そんなことを考えてしまうあたしはきっとおかしい。


「ん……しゅん…………や、ぁ」


今まで本人に言えなかったその名を、うわごとのように繰り返した。


初めてあたしに名前で呼ばれて、中出はぴくりと反応したけど、そのまま腰に吸い付いていた。


「……今更」


そう呟いた中出の声を聞く余裕はなかった。


腰や腹に触られると、じわりと体の奥から熱いものが溢れるのは、きっとその部分に近いからだ。


「ね…………お願い」


熱を帯びて、自分じゃどうにもできなくて、中出に懇願しても、この男は知らないふりをする。


「…………何が?」


そう聞く中出は笑っていて、絶対わかっているのだ。


あたしは中出の手を掴んで自分の下半身に持っていく。


「……触っ、て」

「……ほんと、変態」


身に纏っているすべてを取り払って、中出の指が敏感な部分を捉えた。


「あっ……!」

「すげ……もう濡れてる」


そんなに気持ち良かった? と耳元で囁いてきて、あたしはいつも通り顔を真っ赤にさせてしまった。


中出の言う通り、既に溢れているそこは指をいとも容易く飲み込んだ。


最初の頃は怖かったのに、いつのまにかこんなに欲しがっている。


中を掻き回されて、今まで我慢していた声が知らず知らずに漏れてしまう。


「ぁ、ふ、んん……!」


まるでトロトロに溶かされていく感覚。


そして、中出はこの時すら欲しいものをくれない。


「中出っ…………もう……」

「…………何」

「……だい」

「はっきり言わんとやらん」


本当に中出は意地悪だ。


あたしは中出の首に腕を回して引き寄せた。


「お願い…………駿哉、ちょうだい……」


ぐっと中出が息を飲んだのがわかった。


「それ、ずるい」


そう呟いて、自身をあたしの中に押し込んだ。


初めての時に感じた痛みや息苦しさは、回を重ねるに連れて快楽の材料へと変わった。


揺さぶられて、快楽に堕とされて、何もかもわからなくなっていく。


ふと目を開けて見上げたら、汗ばんで少し苦しそうに歪める中出を色っぽいと思った。


そして、その表情はあたしの思わぬところを刺激していた。


「…………っ、締め付けんなっ」


余裕のなくなった中出すらも愛しいと思った。


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