@愛の始まり
10年前―――――――
る「ともーっ笑笑」
「ボールーっ笑」
大「んー?」
「るか、下手くそ~笑」
る「あっ!!あぶないっ」
大「え、」
あっという間の出来事だった。
幼い私たちは公園で遊んでいて、
ボールを追いかけた大は、
横から来たトラックに
気づかず轢かれた。
私があの時ボールを
投げなければ、あの時、
あの時、あの時、何度
悔やんでも戻ってこない
日々。
その後は大がどうなったかも、
何も教えて貰えず、両親は
私を連れてあの街を出た。
ただし、それだけでは
収まらず、夢に出てくる
ようになりお前は人殺しだと
言われているようだった。
何も出来なかった。
何も。
自分を恨み、あの頃を
恨んだ。
一生戻ってはこない。
小学になっても誰にも
話せず、誰とも関わらず。
中学にあがれば、顔が
いいだけで男子が寄って
女子には妬まれる。
中2の時には知らない
女子が私を妬んでいて、
知らないところの男が私に
近づく。
しまいにはレイプ。
誰を信じればいいかも
分からず、私はひたすら
隠れて泣いた。
結局はみんな顔。
誰も私の中身なんか
見てはいないんだ。