オタ恋っ!
「えー気が利くじゃん。
…でも、なんで風邪かもって思ったの?」
今はもう昼休みだが、クラスの離れている私達はさっきまで一言も話していなかった。
「さっき谷ヶ崎のクラス、移動だっただろ?それで僕の教室の前通った時に声が聞こえて。いつもと少し違ってたから」
そういいながら鼻を掻く川崎。
…照れているのだろうか。
………。
「ありがとね」
「あ、うん。その…よかったら食べて」
こそばゆいような…なんとも言えない空気が流れる。
……
「それにしても…川崎、声小さいよ」
「えぇっ、ごめんっ…」
仕方がないか。
川崎、小さいもんな。
笑。
「ま、次から頑張んなよ」
「う、ん。頑張る…」
川崎はまだ帰らないような感じで。
……?
まだなんか話があるの?
ていうかこの空気苦手なんだけど…
…川崎も限界を感じたのか、「じゃあ、邪魔してごめんっ」と、小走りで自分の教室に帰って行った。
………。
あの空気はなんだったんだろうか。
というのはよくわからないので考えないようにしとく。