オタ恋っ!
………
教室に戻ると栞里がニヤけたような顔で私が席に戻ってくるのを見てきた。
「ねぇねぇ、さっきの子って…」
「ん?ああ、川崎?」
「うん。…かわいいね、ちっこくて」
…ちっこい?
……笑。
川崎がちっこいってことはほおって置いて、食べかけのパンをほおばる。
「んまー」
「ちょっとあず。聞いてるー?」
「はははきはひっほひっへほほへほ?」
「何言ってるのか全然わかんないから。
ほーら、口に含みながら喋らない」
ごっくん。とパンを飲み込んで口を潤すために牛乳を飲む。
ーーズズッ
あ、もうなくなった。
「で、なんて言ってたの?」
「え?だから、川崎がちっこいってことでしょ?ちゃんと聞いてましたよー」
「いや、そうじゃなくて」
「え?」
「ほらほら、そののど飴〜」
…ああ、これのことか。
机の端に置いておいたのど飴の袋を指差しながら、栞里はニヤニヤしている。
「川崎くん、なんて言ってた?」