オタ恋っ!
でも
何かが足りなくて。
何かが
心に穴を開けていて。
……………
「…あず?」
「えっ」
「もー、聞いてなかったでしょー」
つい考えごとをしてしまっていた。
…心に穴を開ける正体。
「あはは、ごめん」
そう、鼻の下をさする。
「考えごと?」
「いや、そんな大した事ではないから」
「そっか」
それでね、と栞里は話を続ける。
ああ。
恋をしたら。
栞里みたいにキラキラするのだろうか。
こんなにも夢中になるものなのだろうか。
恋、か…
いや、でも私はきーたんに恋してるし!
大好きだし。
「ねぇ、栞里」
「ん?」
「私、どこか変わってない?」
突然の質問に、頭に?を浮かべる栞里。
「?……あー、前髪切った?」
「………切ったけど…」
期待した回答と違ってため息をつく。
………………
『恋をしたら綺麗になる』
…栞里は可愛くなっていっている。
その好きな人のために。
…じゃあ、私は?