オタ恋っ!
……………
私は何も変わっていってないのだろうか。
その前に
私は本当に恋をしている……?
でも…
これが恋ではないのなら
本当の恋って………?
そう考えると訳が分からなくなって。
頭の中がごちゃごちゃになって。
「………」
とりあえず考えない方がいいと判断して
この疑問は胸の中にしまうことにした。
ーーー……………
ー〜♪
「あ、予鈴」
「やばっ!昼休み終わっちゃうじゃん」
時計の針は、昼休み終了の五分のところを指差していて。
「ほら栞里、早く食べ終わらないと」
「あずが早いんだよー」
「いや、栞里が遅いんだよ」
小さな悲鳴をあげながら、残りのおかずを平らげる栞里。
すでに食べ終わっていた私は、左のポケットからリップクリームを取り出そうと
手を突っ込む。
ーーーガサッ
リップクリームではなく
指に触れたのはのど飴で。
ーーあ、まだ残ってたんだ。
ついでに舐めておこうと取り出す。
「あ、いいなー」
もう少しで包みを破きそうになったところで栞里に覗き込まれて。
「欲しいの?」
「いや、……舐めたいってわけじゃないんだけど」
どこから見ても挙動不審な栞里は、なんか怪しくて。
「……?」
でもその理由がすぐにわかった。
最近妙に可愛くなったのも。
のど飴を欲しがるのも。
…気にはしていなかったけれど
会話にやたら名前が出てくるのも。
それは栞里がそっと、そして静かに耳元で呟いたから。
「実は……川崎くんのことが好きなの」