オタ恋っ!
ーー………
ーー〜♪
それから授業開始のチャイムがなって
急いで次の教科の準備をする。
…………
入ってきた先生の声が
ガヤガヤとした教室を静める。
「…ここはテストに出すからなー」
なんて。
先生のだるそうな声を聞きながら。
またつまらない授業が始まって
ただ、時間が過ぎるのを静かに待つ。
…いつもはそうだったのに。
ーートントン
後ろから肩を叩かれて振り向く。
「………」
栞里が静かに差し出した、ノートの切れ端。
『今日川崎くんを誘ってみようと思いますっ\(^o^)/』
栞里の丸くて可愛い文字が
心を締め付けて。
…………
ペンケースから取り出したシャーペンで
書き出した四文字。
『がんばれ』
黒板に向かっている先生に気づかれないように
それを、そっと栞里に渡す。
…………
教科書に沿って説明を続ける先生。
話が全く耳に入らなくて。
(……飛行機雲…)
何かを紛らわすように
青く透き通るような空を
私は無意識のうちに見つめていた。