オタ恋っ!





本当はわかってたのかもしれない。



自分の気持ちが。




















栞里が川崎のことを好きだと知って



辛かった。










…苦しかった。


















嫌だった。










名前を聞いた瞬間、

協力なんて




…出来る気がしなかった。

















それなのに




笑顔を作って

















好きを押し込めてたのは私だ。
















もう傷つきたくない、って














逃げていたのは私だ。























好き。




川崎が。














「………っ…」




声を押し殺して。




我慢してただけで。










本当は………















「…あず」










優しい栞里の声。









「行っておいで、その人のところに」





………え?













「っでも」









川崎のことが好きなんじゃないの?











「ほーら、早く行く!」





ーーートンッ





栞里は私の背中を押した。














「がんばってこい!」












そして最高の笑顔で。













「っうん!」















ーーー………












こんなに泣き腫らした顔を見て



川崎はなんていうだろう。





『大丈夫?』









そう言ってくれるかもしれない。

















それに、もし。



もう栞里に気持ちが向いていても。















伝えなきゃいけない。











好きだよ、って。




















ドキドキするのが恋だ、って


ずっと思ってた。








だから


きーたんに恋してる、なんて思ってた。















でも、違うんだ。















川崎のことを考えると





ドキドキする。















でもね、




同時に
















ポカポカもするんだよ。











ねぇ、川崎。












もう遅いかもしれないけど。















気持ちを伝えたら。


















また笑ってくれますか…?



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