オタ恋っ!
“好き”は、最高の魔法。
「……ハァ、ハァ、ハァ…ーー」
久しぶりにこんなに走って
息が切れる。
……川崎は…
まだいるだろうか。
足早に川崎のクラスに向かう。
もう帰っているかもしれないけれど
もしかしたら。
そう思って
階段を一気に登る。
ーーー………
あと少し。
5m。
3m。
1m。
ーーーガラッ
「…あれ?谷ヶ崎?」
…川崎だ。
ああ
久しぶりの川崎だ。
そう考えるとまた涙が出そうになる。
部活がちょうど終わったのだろう。
ユニホームを着たままだ。
……………
シーンとした教室。
私と川崎以外誰もいなくて。
ーーードクン、ドクン、ドクン
心臓の音が聞こえてしまいそうで。
「…どうした?」
私の顔を覗き込む。
川崎の一つ一つの行動が愛しく思える。
…好き。
伝えたいことがたくさんある。
きーたんの好きは違うってこと。
会えなくてさみしかったってこと。
栞里と二人でいるところを見たときに
…苦しかったってこと。
でも。
一番伝えたいこと。
川崎…
あのね?