オタ恋っ!
恋と、君と、甘いもの。
「は…はぁあ!?!?」
いかにも女の子の可愛らしい部屋に響いたのは
色気のカケラもない私の声。
「えっ、ちょっ、どういうこと!?」
「だーかーら、そのままだって」
耳を塞ぎながら
栞里はしれっとした顔でそういう。
私はまだ、この現状を掴めていない。
ーーーー……
ーー〜♪
「…っあ、チャイム鳴った」
「やばい、とりあえず学校を出よう」
人生初めての告白。
あの後、ずっと川崎に抱きしめられていて。
今思い出すと恥ずかしい。
抱きしめられたことも
泣き顔を見られたことも。
………///
…時間を戻すことは出来ないだろうか。
……………
「…なあ、谷ヶ崎」
「えっ!あ、はい!」
校舎を出るまで一言も話さず
沈黙が続いたけれど、
先に口を開いたのは川崎だった。
……。
少し低音な川崎の声が
鼓動をさらに早くする。
「…好きになってくれて、ありがとな」
川崎はそう、嬉しいような泣きそうな顔をして言った。
「…私も…ありがとう」
ただ単に
気持ちが通じ合ったことが嬉しくて。
こそばゆいようなこの空気が
何故か心地よかった。