二枚





それも、早朝の四時半に。




電話の声の主は、もちろん浜田であった。








『佐野、起きろ。事件だ。』








その一声で動かない訳はない。




祥子は眠い目をこすりつつも、もう体は出勤の準備をし始め、





「十分で署に向かいます。」と答えてから、枕元にある眼鏡をかけた。





祥子は齢25歳にして、警視庁捜査一課の第3強行犯捜査5系に配置されている。




浜田はその5系の係長である。





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