二枚





祥子の父は、祥子と同じ刑事であった。




それもかなり優秀で有名な刑事だった。




が、しかし、凶悪犯を捕らえようとした時、殺害されてしまった。




刃渡り三十センチ程の刺し身包丁で、心臓をひと突きだった。




祥子の母は、祥子が幼い頃に病死した。




その為、祥子の父は思春期の娘を、仕事で忙しい中、愛情を注いで育ててきた。




そんな矢先の事だった。




父の葬式の時、もう十年も前の事だが、しっかりと鮮明に記憶に残っている。





< 5 / 17 >

この作品をシェア

pagetop