二枚








「そりゃあすごい。刑事さんだったら、さぞかし辛い事もたくさんあろうに。


でもね、刑事さん。あんたはまだ若いんだから、あんまり重荷を背負っちゃあいけねぇよ。」




「……はい。」








祥子は運転手の気遣いに感謝した。




祥子の家から署までは結構近い。




運転手に「ほら、着いた。」と声をかけられ、お札を一枚渡し、




残りの釣り銭を貰ってから、タクシーのドアをバンッと閉めた。





< 9 / 17 >

この作品をシェア

pagetop