私が恋したのは女の子でした。
「行動心理学の講義で一緒になって……」

「えー!? そうなの? なんだー。私もとればよかった」

 面白くなさそう、という理由で、麻里子も唯もその講義をとっていない。

 おかげで、私は孤軍奮闘。

 ノートも借りられない、テストで協力も求められない、そんな厳しい状況にあるのだった。

 でも……かえでくんと情報交換すれば良いかも。

 そんなことを考えていると……。

「ねえ、朱莉はその人のこと、好きなの?」

 思わぬ方向……麻里子からそんな質問を食らって、私は撃沈。

 え、えー。だって……。

 かえでくんに一目惚れしたのは事実なわけで……。

 そんなこと見透かされたら手も足も出ない。
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