私が恋したのは女の子でした。
「う、うん。好き……だよ」

 大人しく素直に答える。

 そう答えないと、唯に狙われそうで……。

 合金ロボみたいなマッチョが好きと公言する唯の好みではないと思うけど、かえでくんの殺傷能力は半端ない。

 彼の笑顔なら、唯だって萌え殺すと思う。

「そっか! 何か協力できることがあったら言ってね。せっかくの大学生ライフ、彼氏いた方が楽しいもんね!」

 無邪気な麻里子。

 正直、ありがたいんだか迷惑なんだかわからない。

「ありがとう」

 でも、とりあえずお礼を言う。

 ここで揉めても仕方ないもんね。

「うん! なんでも言ってね」

「あ、私も、私も協力するよ?」

 麻里子に続いて唯も言ってくれる。

 嬉しいけど……気持ちの半分は迷惑って思いが占めてる。

 関わって欲しくない。

 二人は可愛いから。

 かえでくんと知り合って欲しくない。

 だけど、そんなこと言えない。

 ヘラヘラ笑いながら流すことしかできない私でした。
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