私が恋したのは女の子でした。
「ねえ、あかりちゃんって、文学部だっけ?」

 もう何度目かわからないくらいのランチデート。

 デートと思ってるのは私だけかもしれないけど……。

 かえでくんがカツ丼を食べながら訊いてくる。

「あ、ううん。法学部。言わなかったっけ?」

 一年の今はまだほとんど法律関係の講義は受けてないけど……。

 一応、法曹界を目指す人の集まる法学部の学生な私。

「そうなんだ。あー、ごめん。勘違いしてたよ」

「ふふっ。誰とー?」

 私は笑いながら訊くけど、内心嫌だった。

 かえでくんに他の女の子の知り合いがいるって思うと……。

 嫉妬の炎は簡単には消せそうにない。
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