私が恋したのは女の子でした。
「私は、公務員目指してるだけ。弁護士なんてとても無理だよ」

 弱音を吐きながら、スプーンでランチを口に運ぶ。

 ここの学食は私の大好きなメニューがあって、好き。

 初めて食べたときに感動した、ハヤシライス。

 あまりに美味しいから、週3くらいで注文している。

 そんな私のハヤシライスが残り半分を切った頃、かえでくんはカツ丼をたいらげていた。

「僕、次の講義の準備しないといけないから行くよ。ごめんね、最後まで付き合えなくて」

 立ち上がるかえでくんにつられて立ち上がりそうになる。

 でも、まだハヤシライス、残ってる……。

 また椅子に座り直す私。

「う、うん。またね、かえでくん」

「またね、あかりちゃん」

 立ち去るかえでくんの優しい笑顔は、いつも私をきゅんとさせる。

 その笑顔を独り占めしたい。

 そんな気持ちは日に日に高まっていくのでした。
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