私が恋したのは女の子でした。
「ううん。女の人の手みたいって思う」

 私がそう答えると、かえでくんは手を引っ込めて、溜め息をついた。

 自分の手を眺めながら、かえでくんは眉をひそめる。

 え……? かえでくんにとっては、コンプレックスなのかな? 

 私にとっては、ごつごつした無骨な手より、触って欲しくなる綺麗な手なんだけど。

「やっぱり……そうだよね。隠せないか」

 私の脳裏にはクエスチョンマークがひらめきまくってる。

 何を言いたいの……? かえでくん……。

「僕はね、完全な男じゃないんだ」

 ……。

 ……は? 

「勘違いさせてて申し訳なかったと思う。本当にごめん」

 ……え? 

 何、何……? 

 何、この告白……。

「僕は女の身体で生まれてきた、欠陥品なんだよ」
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