私が恋したのは女の子でした。

 いくら今助けてくれたって言ったって、かえでくんだって女の子なんだし。

 それに何より、この場に一人残されるのは怖かった。

 私はかえでくんを抱きしめたまま。

 確かにかえでくんの身体は女の子だった。

 身長は私よりずっと高いけど、女の子だった。

 柔らかい……。胸の膨らみはほとんど感じられないけど。

「僕から離れて。あかりちゃん」

 そんなことをかえでくんの口から聞いて、少しショックを受ける。

 今は傍にいて欲しいのに。
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