私が恋したのは女の子でした。
「どうして……?」

「僕がどれだけ我慢してるかわからない? 好きなんだよ、キミが」

「あ……」

「これ以上くっついてると、何するかわかんないよ」

 苦しげに絞り出すような声。

 かえでくんの「好き」は、恋愛の「好き」? 

 それに気付いた途端、私の中で何かが弾けた。

 離れない。離れたりなんかしない。

 私はかえでくんの襟元を引っ張る。

「んっ……!?」
< 43 / 87 >

この作品をシェア

pagetop