私が恋したのは女の子でした。
「えっ……。言ったよね? 理解したよね? 僕のこと」

「うん。聞いた。理解した。でも、それでもかえでくんが好きなの!」

「ほ、本気なの……?」

 薄暗い中でもわかった。かえでくんは顔を真っ赤にしている。

 そして、躊躇いがちに私に近寄ってくる。

「本気だよ。好きだよ、かえでくん」

 かえでくんの瞳をしっかり見つめて伝える。

 そこで気付いた。

 かえでくんの向こうに、無造作に捨てられるように放置されたスーパーの袋が見えた。

 もしかして、スーパーからついてきてくれてた……? 
< 45 / 87 >

この作品をシェア

pagetop