私が恋したのは女の子でした。
 そっか。早朝からっていうから、出る前にはまだカーテン閉めてたんだね。

「う、ううん。まだだけど」

 無理して笑顔を作る私。

 かえでくんはお弁当、くれるのかな? 

「そうだよね。お昼一緒に食べようって言ったんだった」

 首に手を当て、ごしごし撫でる姿は、いかにもイケメン……。

「ねえ、コンビニ弁当でも良いかな?」

 きた! やっぱり私の分まで用意してくれたんだ。

「う、うん! 良いの? 私まで」

「良いよ。そのために買って来たしね」

 廃棄のお弁当じゃなくて、買って来てくれたの!? 

 うわぁ……。
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