私が恋したのは女の子でした。
 良かった! お弁当作って来なくて! 

 というか、夏休みだからって油断して、寝坊気味だったから、作れるはずなんてなかったんだけど。

 でも、本当に良かった。

 そんなに私、お弁当が得意ってわけでもないんだしね。

「良かった……って? 何が?」

 かえでくんが訊いてくる。

 え? 私もしかして、声に出してた? 

「あ、その……私、お弁当作って来ようか考えたんだけど、作らなくて良かったなって」

「そうなの?」

 かえでくんは難しい顔をしている。

 あれ? 私……何か変なこと言った? 
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