私が恋したのは女の子でした。
 休みがあるって言っても、忙しそう……。

 私が寂しく思ったときだった。

「あかりちゃんに会いたいとき、誘っても良い?」

 じっと目を見つめられて、そんなことを言われたら、ドキドキしてしまう。

 私は無言でこくこくとうなずいた。

「……良かった。ねえ、こっち来て」

「う、うん」

 寝転がるかえでくんに近付くと、手をつかまれて引っ張られた。

「つかまえたー」

 かえでくんの腕の中は緊張するんだけど、同時にかえでくんの心臓の音も感じられて、どこかほっとするところもある。

 かえでくんは緊張してるのかな? 

 私のこと、どう思ってるのかな……? 

「僕のことどう思ってる?」

「え……?」
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