私が恋したのは女の子でした。
 思いもかけず、かえでくんからそんな質問をされて戸惑う。

 私が思っていたこととシンクロしてるような気もして……。

 どうって、どう思うって……

「す、好きだよ」

 声は小さいかもしれなかったけど、私がそう答えると、かえでくんはにやりと笑った。

「へぇ……。どこが?」

 ど、どこがって……! 

 どこがって訊かれるとどう答えたら良いかわからない。

 それに、この質問に上手く答えられないと、なんだか窮地に陥りそうな予感がする……!! 

「え、えっとね……。好きなところ、いっぱいあるんだけど……」

「うん?」

「う、上手く表現できないっていうか……その……」
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