私が恋したのは女の子でした。
「僕はあかりちゃんから連絡があればすぐ返すつもりだったよ」

 しれっと言い放つかえでくんに、少しイラッとする。

「そんなの……。言われなきゃわかるわけない。私だってかえでくんの連絡無視するつもりなんてなかったし」

 かえでくんの眼差しは私を刺すように感じられた。

 責めるの……? 責めているの……? かえでくん。

「あー、そう。やっぱり僕のこと好きなんて嘘だったんだ」

 なんでそうなるの……? 

 私の気持ちに嘘なんてない。

 苦しくなった私は、涙を我慢しながらも言った。

「かえでくんが私を拒絶したんだよ? なのに私から連絡できるわけないじゃない」

 これ以上話すと険悪になりそう……。

 私は歩き出した。
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