私が恋したのは女の子でした。
「授業始まるし、もう行くね。初回だし遅刻できないの」

 そんな私の手首をかえでくんはつかむ。

「行っちゃうの?」

 なんで切なそうな顔するんだろう……。

 私に何を求めているの……? 

「だって……授業が」

 焦る私に、かえでくんは告げる。

「じゃあ僕もその授業出るよ」

 えっ……。

 そして、その言葉通り、かえでくんは私と一緒にその授業に出たのでした。
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