コイスルハナビラ SAKURA

「……あ! さくら、さくら! どう? 似合う~?」


更衣室から出てきた麻紀ちゃんに、後ろから声をかけられた。

麻紀ちゃんは、

「もう、何度もここで仕事してるから」

と、説明を受けずに、先にユニフォームに着替えていたんだ。


「ん~?」


あたしは振り返り、ユニフォーム姿の麻紀ちゃんを見る。

そして、思わず息を飲んだんだ……


「ま、麻紀ちゃん……可愛い……」


若草色の膝下丈ワンピース。

首回りは浅いVネックで、袖は5分丈のタックドスリーブ。

そこに、長めの白いサロンエプロンを合わせ、肩からは薄黄色のショールを掛けて、胸の下で結んでいる。

ワンピースからのぞく足はナチュラルストッキングを着用し、靴はエプロンと同じ白色のものをはいている。


「これが……ケレスのユニフォーム……」


そのユニフォームを着こなす麻紀ちゃん。

くるりと回転するその姿は、まさに森の中の女神!!

こんな可愛い格好が出来るなら、お店の中の仕事じゃなくても全然かまわないよ!

あたしの胸は高鳴った。


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