コイスルハナビラ SAKURA

「大丈夫、着ぐるみはもう1人いるから」


そんなあたしに、若林さんはフォローの言葉をかける。


「もう1人……いるんですか?」

「うん、安心した?」

「はい……ちょっと……」


その言葉に、若林さんはホッとしたような笑顔を見せた。


「……それにしても、さくら。あんたホントに可愛いわぁ」


あたしを眺めて、麻紀ちゃんはしみじみと言う。


「……ホントに~?」

「うん、本当に可愛いよ」


そう答えるのは若林さん。


「鏡を見てきてごらん」


と、更衣室を指差した。


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