コイスルハナビラ SAKURA
「んぐんぐ……ぷはぁ!」
男の子は、あたしがケレスからもらってきたオレンジジュースを一気に飲み干す。
そして、空のグラスを猫さんに手渡すと、ニッコリ微笑んだ。
「よっぽどノドが乾いていたんだな……」
若林さんは、しみじみ言う。
「この子、迷子になってどれくらい時間が経ったのかしら?」
顔をのぞき込む麻紀ちゃん。
今、あたしたち4人は、ケレスの外で、男の子を囲むように立っている。
お店の中じゃ、男の子を探しに来た人にわかりづらいから。