コイスルハナビラ SAKURA
「さくら~! うちね~、これから美容院で髪にウェーブかけるんよー!」
先生の言葉が終わると、麻紀ちゃんは真っ先にあたしのところにやってきた。
長い髪を触りながら、嬉しそうに言う。
「これから3年生じゃし、少し大人っぽくせんとね」
そう言って笑う麻紀ちゃんは、続いてあたしの髪に視線を移した。
「さくらも、だいぶ伸びたねぇ」
「うん!」
あたしの髪は、現在肩にかかるくらいの長さまで伸びている。
「麻紀ちゃんと出会ったころは、あたしはまだショートじゃったもんねぇ」
「そうそう! で、無理して、短い後ろ髪をゴムで束ねるもんだから……」
麻紀ちゃんの顔が赤くなる。
肩を小刻みに震わせている。