コイスルハナビラ SAKURA

「そして……」


さくらは、不意にその歩みを止める。


「……そして、涼ちゃん」


さくらは空を見上げた。

青い空に白い雲が流れていくのが見える。


あたしは……

涼ちゃんにフラれていなかったら、あの時ケレスでバイトをすることはなかった……


あれから、いくつもの季節が過ぎたけど……

まだ、あたしは涼ちゃんのことを、思い出に出来ないでいる……


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