コイスルハナビラ SAKURA
「あんたの……後ろ髪……」
どうやら、笑いをこらえているようだ。
「……何よぅ?」
「後ろ髪が……子犬の……シッポみたいで……!」
麻紀ちゃんは、込み上げてくる気持ちを必死に抑えようとする。
━━━でも、それもそろそろ限界のようだ。
「さくらが動くと……ピコッ! ピコッ! って~!」
その言葉で、ついに麻紀ちゃんの我慢は限界に達した。
「あははははははっ! も……もう、ダメ! あはははは……!」
文字通り腹を抱えて笑う麻紀ちゃんに、あたしはぷうっと頬を膨らませた。
「そんなに笑わんでも、いいじゃんかー!」
「あははははっ! ごめん、ごめん!」
怒りをあらわにするあたしに、涙を拭きながら麻紀ちゃんは謝ってきた。