コイスルハナビラ SAKURA
そして、更に30分が過ぎた。

待ち合わせの時刻からは、45分が過ぎている。

それでも、涼ちゃんは姿を現さない。


「遅れるなら、連絡くらい入れてよ……」


あたしは壁にもたれると、ずりずりとその壁をこすりながら腰を落とした。


「涼介の……ばか……」


うつむきながら、あたしはつぶやく。

空に広がるグレーの雲は冷たい風を呼んで、あたしの頬をそっとなでた。




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