コイスルハナビラ SAKURA

「はぁっ……はぁっ……遅れて、ゴメン!」

「もうっ、遅すぎだよっ!」


息を整える間もなく謝る彼氏。

それに、怒るような素振りを見せる彼女。

しかし、嬉しさは隠せない。

そんなやり取りをしているカップルを、あたしは『ぼ~』っと見ていた。


「いいなぁ……」


思わず、想いが声となって出る。

彼女は服を買ってもらうということで和解したらしく、彼氏の腕を取って歩き出した。


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