コイスルハナビラ SAKURA
「ほら、新幹線に遅れちゃう!」
部屋を出たあたしは、麻紀ちゃんに引っ張られるように階段を下りて行くと……
心配そうな表情を浮かべたお母さんと目があった。
お母さんは、あたしの髪が短くなってることにショックを受けたみたい。
「さくら……どうしたの?」
お母さんは、恐る恐るという感じであたしに質問してきた。
うつむくあたし。
涼ちゃんとのこと……言いたくない……
お母さんにまで……心配かけたくない……
下唇をキュッと噛む。