コイスルハナビラ SAKURA
「お母さん……!!」
真剣な眼差しで、あたしはお母さんを見つめた。
しばしの沈黙が流れる。
やがて、お母さんは目を閉じて、ふうっと溜め息をついた。
「……わかったわ」
「……え? ほ……ホント!?」
「ええ、本当。さくらがそんな真剣な目で見つめるけぇ、お母さんドキッとしちゃったわよ」
そう言って、お母さんは微笑んだ。
「お母さん……」
「……それに、さくら1人じゃ心配だけど、麻紀ちゃんも一緒なんじゃもんねぇ」
……ん?
「大丈夫、おばさま。目を離さないようにしますわ」
「よろしくね、麻紀ちゃん」
「も……もうっ、2人ともっ!」
2人が笑う中、あたしだけは頬を膨らませていた。